何年かぶりの読書記録です。
リタイアした途端、
仕事上のことであれこれ思い悩むこともなく
布団に入ったら即、寝られるようになったので
読書から遠ざかっておりました。
(布団に入って本を読むのは睡眠導入剤でしたからね)
ずい分久しぶりに
高村薫 「土の記 上・下巻」読みました。
10年以上前に「マークスの山」「照柿」「レディージョーカー」等々
合田雄一郎シリーズを好んで読んでいたのですが、
「晴子情歌」「新リア王」「太陽を曳く馬」
この長編三部作、まあ難しいの何の。
絵画論議やら宗教論争は私の単純な頭では理解不能、
何度も投げ出しかけたのですが相方が読了しているので
一応字ずらだけを追って読み終わりました、
でももう二度と読めません。
「晴子情歌」だけは挫折してるし。
高村薫の作品はほぼ読んでいて、忘れたころに再読もしていたのに
この難解な小説のあとはさすがに高村薫の小説を手に取る気にならず(トラウマ)
しばらく遠ざかってしまいました。
その後2013年に「冷血」を読んで以来の「土の記」です。
奈良県の山間に暮らし、ひたすら農作業にうちこむ老人の日常を
淡々とでも濃密に描きだしています。
サスペンスでもなければこれといった物語性もない、
それでも最後まで深く読ませてしまいます。
「土の記」
どれほどの膨大なリサーチをされたのか
土壌断面の模型「モノリス」から科学的で緻密な米作りまでリアリティーのある描写力はさすが高村薫です。
高村薫、また読み直そうかな!
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