宮城谷昌光「孔丘」読了。
今年の10月に刊行されたばかりの新作です。
(図書館予約です)
春秋時代の中国の思想家で儒教の創始者と言われる「孔子」
宮城谷氏は聖人君子の偉人伝を書くのではなく、
失敗や欠点もある一人の人間として孔子を書きたかったので
題名を「孔丘(孔子の本名)」とされたそうです。
孔子は国の為政者(支配者階級)に人としての理想を求めるがゆえに共感を得る事が難しく、
良き理解者を求めて各地を転々とせざるを得ず、
結局地位や名誉を得られることなく不遇なまま人生を終えます。
目覚ましい出世や活躍が無く、血沸き肉躍る場面も無いので
読む方としてはやっぱり高揚感に欠けるんです。
それでも孔子の思想は弟子たちによってまとめられた「論語」として後世に残り
現代でも、管中、孟嘗君、子産、の名前は知らなくても孔子は良く知られているのです、
教育者としては幸せでしたよね。
不遇であった当時の孔子に教えてあげたい!
宮城谷氏は古代中国の歴史小説を書くにおいて
漢字本来の成り立ちを学ばなくてはいけないと長年にわたって金文、甲骨文字を学び、
また中国の司馬遷による歴史書「史記」を読むだけに終わらず
全文(130巻 52万6千5百字)を書き写したという凄まじい方なのです。
そのため小説が売れるまで、長い不遇の時代が続いたのです。
宮城谷氏の作品は誠実で真摯に生きた人を主題に置いているので
読んでいるこちらまで心が洗われる気がするのです。
人としてどう生きればよいのか、常に問われている気がします。
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ひみこ
at 2020-12-02 13:13
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子曰く、から始まる論語は余りにも有名ですよね。苦難の道を
自ら歩いたという印象ですが、孔子の物語は読んだことがあり
ませんので、今度読んでみたいと思います。
宮城谷氏は本当に努力家なんですね。
物語の主人公も、誠実で真摯に生きた人だから読んでいて、
気持ちが良いです。登場人物たちの台詞が人生の指針になる
ような気がします。
自分の人生に、ほんの少しでも生かせれば良いんですけどね。
自ら歩いたという印象ですが、孔子の物語は読んだことがあり
ませんので、今度読んでみたいと思います。
宮城谷氏は本当に努力家なんですね。
物語の主人公も、誠実で真摯に生きた人だから読んでいて、
気持ちが良いです。登場人物たちの台詞が人生の指針になる
ような気がします。
自分の人生に、ほんの少しでも生かせれば良いんですけどね。
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chiffonmini at 2020-12-02 21:13
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messiahjs at 2020-12-02 21:51
孔子といえば、中国に孔子平和賞っていう賞があるらしいですよ。受賞したことがある人は知りませんが……。
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chiffonmini at 2020-12-02 22:23
by chiffonmini
| 2020-12-01 22:00
| 読書
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Comments(4)