こんなバーチャルな本棚を作ることができるなんて・・・図書館派な私にとってうれしい限りです!
あさのあつこ「バッテリー」読了。

NHKのクローズアップ現代にも取り上げられた話題の児童書。
自分の投げる球に絶対の自信を持つピッチャー「巧」とその相手であるキャッチャー「豪」。
本気でぶつかり、悩み、苦しみながらも妥協せず、共に成長していくストーリーです。
ふと灰谷健次郎さんにでてくる少年達が頭に浮かびました。
灰谷さんの著書にでてくる少年達は自分の思いを的確に言葉で伝えることができ、自分の事を理解してくれる大人や友人を周りにうまく増やしていける主人公が多かったです。
この「バッテリー」の主人公、巧は大人の言いなりにならず、ましてや友人や先輩の言葉にも耳を貸さず、大きな軋轢を引き起こしながらも頑強なまでに自分を貫き通します。
自分の心の内にある思いを他人に伝えることの難しさを感じながら、いやむしろ伝えても無駄だと冷静に割り切っているところが垣間見えます。
この「孤高の強さ」が若い女性ファンをひきつけているんでしょうね、
昔自分が子供だった頃、どんなに自分が正しくても大人の前では限りなく無力だったと言う事実を多くの人が経験していると思います。
自分の思いをあきらめるしかなかった悔しさを、見事に巧が晴らしてくれているように感じられるのでしょう。
自分のこれまでの生き方を振り返り、挫折したりあきらめたことを今からでももう一度やり直すことができるかもしれない、そんな思いを抱かせてくれるストーリーです。
中学入試によく出る作家の2位があさのあつこさんだそうです。
(ちなみに1位は重松清さん、10年前の1位は灰谷健次郎さんだそうです)
思春期のこども(特に男の子)を持つお母さんにこの3人の作家達(重松、あさの、灰谷)の著書をぜひともお勧めいたします。
自分の無力だった子供時代を少しは思い出すことができる大人になれるかもしれません!

それなりに文章や行き届いた物語の構成は素晴らしいと思うのですが、多少本は読んでも、本質的に自分はスポーツバカなんで、こんな複雑なこと考えてスポーツやる奴なんておるんかい?という見方が抜けきれなくて小説として楽しみきれなかったです。
でも、なんだかんだいながら最後まで読みましたけどね(笑)
バッテリーの読者の7割は20歳~40歳の大人の女性だそうです。
自分の生き方とか子育てとか対比させながら読むと、なかなか考えさせられるものがあるんですよ(笑)

娘の陸上部では「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子)が大人気。娘も借りて読んでいたのですが、2巻を借りる番を待てずに買っていました。
(男子陸上部室では、未だに、漫画「デカスロン」が超人気です~)
「デカスロン」十種競技のことなんですね、
2日間で十種類の競技を行い、その記録を得点に換算し合計得点で競う競技
一日目:100メートル走、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400メートル走
二日目:110メートルハードル、円盤投げ、棒高跳び、槍投げ、1500メートル走
名前だけは知ってましたがマイナーなイメージで内容は全く知りませんでした。
大阪の世界陸上でもやっていたんですね、毎晩見ていたのにな~!